細野 不二彦
小学館 (ビッグコミックスピリッツ)
※ここから先はネタバレもあるのでお気をつけて
「ギャラリーフェイク」という画廊を開いてる主人公”藤田”とそのアシスタント”サラ”のお話。
藤田は元メトロポリタン美術館の凄腕キュレータ、「プロフェッサー」の異名を持っていた。
ある事件を境に贋物を扱う怪しい人になってしまうが、芸術に対する敬意は失っておらず、悪徳商人、偏屈じじい、つけあがった芸術家をたたき、弱い正直者を助けたりするのがよくパターン。
というとかっこいいが、よく逆にやられたりもする。
いつも勝つっていうのも面白くないですからね。
いい感じでへこまされます。
一方で、サラちゃんとの恋愛ストーリーもあります。
ただし、一歩進んで二歩下がる感じで進展はあまりないです。
(でも、藤田はたまに見知らぬ女性としてたりしますけどね。)
その他、個性的なキャラもたくさん登場します。
美術館美人館長、トレジャーハンター、国宝Gメン、超凄腕調香師、一流ニンベン師などなど。
これらワキ役の方々がより藤田の人間くささを引き出してよい感じになってます。
美術に関しては、古今東西なんでも題材になってます。
特に作家の特徴を書いてくれていて、どんな人でどんな作風だったのかを教えてくれます。
また、藤田は修復にかけても天才的な技術を持っていて、よく話の中でも美術品の修復をするのですが、その際、傷・よごれのつき方、そしてその取り方なども解説されています。
保管方法なんかも書いていたりするので、美術品をお持ちの方は参考にどうぞ。
(私のような貧乏人には縁がないですが、、、)
個人的には、美術の歴史を学ぶのにとても良い教材だと思ってます。
ちゃんと年代順に並べれば、覚えにくかった作家の名前とかも覚えれそうな気がします。
(世界史は得意でしたが、その中で美術史は苦手だったからなぁ〜)
ただこのマンガには1点どうしようもない問題があります。
それは、
「どこまでが本当なのかわからない」
というところです。
「もう一枚のモナリザ」なんかは、ストーリーでは実在してましたが、ほんとにあるのかは不明ですからね。
その辺はちゃんと見極めないと知ったかぶり度120%状態になっちゃいますから。
「絶対、高校の教科書として採用すべき!」
と思うのは私だけでしょうか???
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